頭痛が仕事やプライベートに支障を来していても、ただ我慢してやり過ごす人も結構多いんです。でも、日常のちょっとした習慣で、頭痛が起こるのを防いだり、痛みを緩和することはできます。長時間のPC作業などによる首・肩のコリや目の疲れによる頭痛のおすすめの対処法を学びましょう。
■教えてくれたのは
脳神経内科医 五十嵐久佳先生
いがらしひさか/富士通クリニックと東京クリニックで頭痛外来を担当。北里大学医学部脳神経内科客員教授として頭痛専門医の育成にも注力。
首コリや目の疲れが頭痛を誘発!
長時間のPC作業が日常化していると、首や肩のコリ、目の疲れから来る頭痛が頻繁に起こりがち。
「首や肩がこって血流が悪くなると、筋肉に疲労物質がたまって神経を刺激し、緊張型頭痛を引き起こします。また、首のコリや目の疲れが、痛みをつかさどる三叉神経を刺激して、片頭痛を誘発するケースも。コリや疲れがたまる前にほぐす習慣を!」(五十嵐先生)
【METHOD 1】PC作業は40分に1回、5分は休む
「座りっ放しでPC作業を続けていると、首や肩、目の筋肉はずっと緊張状態。40分に1回は5分程度の休憩を挟みましょう。画面から目を離して遠くを見る、立ち上がって縮こまった筋肉を伸ばすなどを心掛けて」(五十嵐先生)
【METHOD 2】首のストレッチを習慣に
PCやスマホを長時間使っていると、重い頭が前に出て首の筋肉に負担がかかります。
「耳の下から鎖骨にかけて首の両側を走る胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)のこわばりは頭痛の一因。頭を斜め上方向に伸ばしてほぐす習慣を!」(五十嵐先生)
【METHOD 3】「頭痛体操」で痛みを軽減&予防も
「日本頭痛学会が推奨している頭痛体操が、片頭痛の予防、緊張型頭痛の緩和に有効なこともあります」(五十嵐先生)。
両腕を胸の位置にかまえ、首を軸に肩を左右に回転させるように大きく、リズミカルに振ります。1回2分が目安。
【METHOD 4】「肩回し体操」で首・肩コリを解消
\慣れてきたら大きく回して/
\正面を向き、頭は動かさない/
肩を前後に回し、肩と首を支える僧帽筋(そうぼうきん)の緊張をほぐすことで、首にたまった疲労物質や痛み物質を取り除きます。前に回すときはリュックサックを背負うように、後ろに回すときは洋服を脱ぐように動かして。前後各6回繰り返し。
【METHOD 5】疲れのたまった部位の血流を促す
「目の疲れや筋肉のコリは、ホットタオルなどで温めて血流を促すことで和らぎます。ただし、片頭痛のときは、血管が拡張して炎症を起こしているので温めるのはNG。逆に、冷やして炎症を鎮めるようにします」(五十嵐先生)